山滴る。
見慣れたはずのグランドから見える神戸六甲山も同じような夏の装いをしながらも、去年とは少しだけ違うさまを見てるかの如く。
神戸大学 女子ラクロス部OG、関係者の皆様、昨年からヘッドコーチを務めさせていただいております。山際です。
選手のブログが並ぶ中、突然の伏兵カットインご容赦ください。
最近はノンボール主導のオフェンスファンの動かし方を意識するあまり、こんなことになっています。
主幹のひよに頼んで、今回ブログを掲載した理由をまず初めに。
先日OG戦を開催しました。2019頃にコロナの影響から開催も難しくなっていたため2年ほどの空白期間を経ての開催でした。
参加いただいたOGの皆様、貴重なお時間の中、またお子様やご家族との調整の中、六甲グランドにお越しいただいたこと、心より感謝いたします。
そこでお会いできたOGさんの中に、2012年のメンバーの方が居られました。
奇しくも、直前に実施していた夏合宿の恒例行事、山際ファシリテートの組織力アップのための「グループワーク」の場で、実は神戸大学女子ラクロス部の歴史講座も行っていました。
そのお話が、ちょうど2010年から始まり(以下私のメモ参照)神戸女ラクの戦歴を紹介したものでした。
=====≪以下、その時の内容≫=====
◆2010年
2部Bブロック6位
◆2011年
2部Aブロック2位
→入れ替え戦をかけた2部Final6-7で大谷に負け
入れ替え戦に進めず
◆2012年☆
2部Bブロック優勝
順位決定戦関西大学に1点差で敗退し、自動昇格にならず、
入れ替え戦は大谷との勝負に見事勝利、1部へ
◆2013年
神戸ショックの年
1部すべての試合で敗退、得失点差―69
1部リーグ最下位、2部自動降格
◆2014年
2部Aリーグ2位
入れ替え戦→大阪国際に8-5で敗退
※なお、大阪国際の当時のHCは現神戸GCの佐嶌さん
◆2015年☆
2部Bブロック優勝
龍谷大学との入れ替え戦8-7で劇的な勝利
1部昇格
◆2016年
再び神戸ショックの年
1部1試合の引き分けを除き、全て敗退
2部へ自動降格
◆2017年
2部Aブロック3位
◆2018年
2部Bブロック2位
準決定戦で神戸親和女子を破り、入れ替え戦の権利獲得
そして、圧倒的に不利と言われた立命戦で6-4で劇的な勝利
1部へ
◆2019年
FINAL4出場、この年、実はシーズン中、準備不足の同志社大学を見事に下す
※その時山際は同志社サイドにいたのでよく覚えています。
◆2020年
コロナでの完全な混乱期、阪大、大阪教育といったライバルたちは合同での出場を余儀なくされ、3部降格へ
神戸の順位は関西5位終了
◆2021年
しのいる達の代、FINAL3を達成し、過去最高順位獲得!
◆2022年
試合経験の少ないりろ、もあたちの代、
私が打診を受けた時、周りからやめておくように何度も言われたが、幹部陣の「私たちの代だけでなく、下の子たちもうまくやっていけそうな人」という後輩想いな言葉に快諾。
関西制覇は難しいながら、関西4位。
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つまり、ここで合宿では、
神戸は決して1部に準強豪としてずっといたわけではなく、昇格と降格の歴史の中で、まだまだ安定的な結果を出せるチームでないことを伝えています。
そして、今年も、肩を並べる強豪と、関西制覇をかけて戦えるのも、こうして、過去の先輩たちのこの六甲での砂交じりの汗のうえに成り立っているのだと、伝えたところでした。
そこに、当時の2012年の昇格を果たした年の方が来てくださること、それは偶然であったとしても、非常に意味の大きなことだったということをこうして、関係者皆様にお伝えしたかったのが、筆をとった理由です。
さて、少し前置きが長くなりましたが、この「歴史」について、少し書いておきたいと思います。
私は教育の現場にいるため、時折学生さんから「歴史をなぜ学ぶのか」を特に教養系の履修者に聞かれることがあります。
皆さんも同様の疑問を想い抱いたことがあると思います。
「過去と現在の対話」の実践、と私はよく答えています。
過去に起きたことを知り、その事象の結末や理由、課程といった要素を蓄積できていると、不思議と、直面する課題解決や、これからの展望を思い描くに、これほど有意なことはありません。
つまり、歴史を学ぶことによって、現代社会を生きぬく「智慧」をつけることができるというものです。
ラクロスという競技でもそうです。過去を振り返る人は、スポーツでは少ない気もします。
具体的には、神戸大学女子ラクロス部、を主体とした歴史でいえば、
「一部昇格」が目的となり、その瞬間の達成に全てをかけ、そのシーズン限りの全力(もちろん大事なことですが)投球だけでなく、そのメンバーたちの離脱後、さらに上のステージで戦うことを想定した指導が、されていれば、単年での降格回避はできたかもしれない、、
という過去の語りかけが
・初年次指導の重要性
・1,2回生の試合経験の重要性
・ヘッドコーチの最低でも1~4回生を対象とした全員ラクロスへの注力
といった事柄の重要性を、私に教えてくれています。
これはチームの組織的な課題ですが、プレーについてもその側面は大いにあると思います。
プレー解析の話を始めると、三国志演義より話が長くなりそうなのでやめておきます笑。
今回、このブログで皆様にお伝えしたかったのは、神戸大学女子ラクロス部が、自立、継続的に力をつけるために、指導の一環で、ちょうどこんな話が出ていることを共有しつつ、
シーズン中、もしお時間許して、応援に来てくださる事があれば、過去の史実をチームに教えていただければ、というお願いもありました。
そして、今年度の主将のエピやOG会の主担当を務めてくれるしゅうが、ようやく、OG戦という形を作り出しましたので、次回以降、ご参加いただける方はぜひ、ご参加いただければと思います。
では、いよいよ8月にはシーズンが開幕し、
8月12日(土)の宝ヶ池球技場(京都)にて、15時ドローで、初戦を京都大学と戦います。
皆様の温かいご声援が、選手に一つでも多く届けばと思いますので、
お盆のご多用のところではございますが、現地だけでなく、Instagramやtwitter("X"に名称変更しましたね)といったSNSへのコメントなどでもぜひ、応援をよろしくお願いします。
2023年 8月1日 HC山際直樹