神戸大学女子ラクロス部を応援してくださる皆様
関係者の皆様
山眠る、グランドの見慣れた六甲の山にも、朝練の時間帯には薄らと白い雪が見える時期となりました。
22シーズンにヘッドコーチを務めさせていただきました山際です。
気が付くと2022シーズンが終わっていました。
最終戦、園田女子大学さんとの試合。
22チームの4回生は、1年生の時の新人戦サマーステージ、ウインター、練習試合等、
実は園田女子さんにずっと負けていて、ある意味、因縁の対戦校だったそうです。
天候は涼秋の薄曇り、これまでの炎天下の試合に比べれば、
コンディションと暑さの兼ね合いにずっと悩んできたゴーリーが、万全で臨める、
それだけでも大きなアドバンテージがあったように思います。
グランドコンディションも、神大六甲グランドと若干の硬さの違いはあれど入っている砂はほぼ同じ。
試合序盤に一進一退の試合をして、応援に来てくださったOG、ご家族の方にはもやもやした展開だったかもしれません。
しかし、ベンチ内では、そうなることも全て慣れた展開、戦術の一部として60分+αという試合時間を戦っていました。
そして次第に、
主将の力強い1on1からの得点、
オフェンスエースの類いまれなダッチとクロスワークから生まれる得点、
抜群の安定感を持ちながらも、自身の得点よりもOFの確実性に尽くしてきたアタックリーダーの想いを爆発させるような左ロングバスター、
あわや、失点かというときに、ゴーリーが見せる予測からのブロック、それは近年関西随一といわれた元同志社の竹本選手のそれ、そして昨年21シーズン最高のゴーリーと強化部でも話に上がりながら、故障で苦しんだ先輩の姿のそれと重なるものがあり、
1回生冬のウインターからDFの魅力に魅入られた二人の4回生の鉄壁、
後ろは、そして来年は任せろ、と言わんばかりの、3回生のDF
ひとつ、ひとつ、好プレーと得点が重なりはじめ、気が付くと、当日のゲームシナリオ内の得点をクリア。
1部リーグという舞台で、結果から逆算し、確実性を求めてきた私でしたが
主将のもあが求めてきた「全員ラクロス」そんな言葉から、前日に決めていたのは、4回生の同時全員出場
「やるかどうかは、結果を優先しますから、約束はできないけど、ごめんなさい」
そんなLINEを技術幹部に送ったように記憶しています。
ただ、現実に、選手たちが確実にその舞台を自分の実力で作り上げてくれたので、4回生9人をフィールドに送り出しました。
そしてフィールドに出ないながらも、だれよりもチームを支え続けてくれたスタッフ4人と同じベンチに立ち
なぜか、シーズン中に正式なスコア記録のなかった選手が、得点を入れたとき
13人全員が何か4年間ためていた、築きあげてきただろう「何か」が音を立てて煌めいた瞬間を見たような気がして、目頭が熱くなったのをよく覚えています。
そしてこの試合で、もう一つ、
4回生全員を除いた、3回生以下のメンバーで、戦う時間を捻出し、
「1失点で、フルメンバーに戻すね」
と伝えて送り出したはずが、1得点で帰ってくるというシーンもありました。
結果、22神戸の公式戦の中では、最も内容のいい試合をし、勝利で最終戦を終えました。
そして、結果は、関西4位。
昨年、チームが歴代過去最高順位(関西3位)を達成し、22チームが関西制覇を掲げる中、はるか及ばない結果となってしまいました。
OB、関係者の皆様には、この場をお借りして、報告とさせてください。
そして、もう一つ。
23シーズンの幹部陣から、翌年度も同じく関西制覇を目標としてヘッドコーチのオファーをいただきましたので、継続してチームの強化に努めたいと思います。
自分のすべての週末と仕事以外の時間をチームに還元してきましたが、それでも足りなかった関西制覇です。
23年度は神大の最大の武器「考える智慧」をさらに波及させ、自立継続的に発展するチームとできればと思っていますので、これからも応援のほど、よろしくお願いします。
そして、最後にこの場を借りて、いくつかお礼を。
まず、日本ラクロス協会の大会運営に関わってくださった全ての方に感謝申し上げます。
勝った負けたと、感情を動じることができるのも、全ては運営側の努力の上に立っていることを予測不能な困難なじだいであるからこそ、と忘れないようにいたします。
次に、保護者の皆様
選手が、けがをするリスクがあるかもしれない、そんな激しい運動部の活動に参加し続けることを後援くださったこと、本当に感謝いたします。私がかかわったのは4回生の一年間だけですが、大学業界で働く者の視点で見ても、社会に出ても決して恥じない、立派なそして他人の痛みのわかる大人の女性ばかりでした。
そして、22チームコーチ陣のみなさま
なんでも一人で突き抜けようとする私に足りない部分を補ってくださったこと、その支えがなければ、この結果はなかったと思います。わかりにくいコーチでほんとすみませんでした。
最後に選手のみんなに、ありがとう。
ほかに使いたい時間がたくさんあったはずです、しかし、それでも練習に来てくれること。
遠征するたびに飛んでいくみんなの時給、しかし、それでも試合に来てくれること。
あげるときりがないんですが、感謝しています。
引退するみんなへは、まだ早いからまた書きます。
山際直樹