神戸大学女子ラクロス部を応援してくださっている皆様
はじめまして、2022年度、ヘッドコーチをさせていただくことになりました、山際と申します。
自身はアメリカ、ボルチモアへの留学中にラクロス女子競技と出会い、帰国後も関西、関東の学生チームの指導、また戦術解析(アナライジング)の研究にあたっていました。
直近では日本ラクロス協会のルール委員として2019年から、ルールの作成・整備を行っています。カナダで行われたU19の日本代表にも同行させていただき、現地での視察員も務めさせていただいたこともあります。
(※写真はU19大会期間中に関西から選抜された、メンバーとの写真)
さて、昨年11月に本格始動した神戸大学2022チームが私に課した命題は「関西制覇」。
決して簡単な目標ではないと選手と共通認識を持ったうえで、他の1部チームとどのように戦っていくのか…
私なりの回答は、国立神戸の最大の武器「考える智慧」の最大活用、としています。
ラクロスは、スポーツの中でも現代競技としての歴史は浅く(※1)未熟な部類といえます。
(※1:文化人類学的側面ではラクロスの起源は非常に長い歴史を持っています)
だからこそ、選手には以下のことを伝えています。
①今グランドで教えられていることは本当に正しいのかという疑問を常に持つこと。
②クロスをはじめとするモノの進化に、自分たちの技術・プレーは追いついているかを時折客観視してみること。そして、できること、変えられることはないかと常に探求すること。
と同時に、コーチングをする人間として自分自身には
①常に私自身が日本で最新だと自信を持って言えるだけの勉強をしているか。
②いまだかつて見ない面白さ、競技の真の奥深さを、チームに共有できているか。
を常に問うようにしています。
随分と抽象的な話ではありますが、このことが、ラクロスのチームを強くする大きな要素となります。
ん?何言ってんの?と思われた方も多いと思います。
例えば、野球のピッチャーのお話をします。
2000年前後は140㎞のストレートが投げられれば充分、球種もカーブ、フォークぐらいあれば、という時代でした。
そこからほんの10年、20年のうちに、150㎞は普通、球種も増えに増え、当時からすれば、別次元の投手たちが大勢いるようになりました。
これは、日本人の体格が良くなった、というバイアスまみれの観点で片づけられそうになりますが、そうでもありません。大谷翔平選手のように、日本人離れした体格に恵まれる選手に目が行きがちですが、誰もが知る王貞治選手、長嶋茂雄選手が活躍したのは1960年代、70年代、そして彼らの身長は177㎝、178㎝と、今の日本人男性との比較でも大柄です。つまりさほど日本人が体格的進化を果たしたわけではないとも言えます。
では何が変わったのか…いくつかの仮説が私の中であります。
①選手自身が競技に関する情報をたくさん持っている、簡単に獲得できるようになって、その中から自分に合ったものを選べるようになったこと。
②トレーニング、コンディショニング、メンタル、食事といった、競技時その瞬間だけでない、多面的アプローチが常識となったこと。
③体の使い方を科学研究的視野で考えるようになったこと。
こういったことが、スポーツ後進国と揶揄されてきた日本でも定着してきたことが、ここ数年の野球選手の変革に大きな役割を果たしたことは間違いありません。
ラクロスにおいても、前述の「情報」を選手が沢山持ち、自分に合ったものの取捨選択を繰り返すこと、これがチーム全体の発展には欠かせません。
そう考えているため、勉強の大切さを忘れず、毎週末の指導に入ってきています。
余談ですが、神戸大学ラクロス部の継続的な発展を願う一方で、指導者、選手がこれらの視点を忘れないことが、日本悲願の世界大会でのメダル獲得につながるとも考えています。
(※写真は2019年U19カナダ世界大会の際に、OGが獲得した銅メダル。)
OG選手との会食の場で写真を撮らせてもらいました。
さて、全く面白くない話が続きましたが、
神戸大学女子ラクロス部を応援してくださっている、皆様には
神戸大学が発する「これまでにない神戸ラクロス」に期待していただきたく思います。
昨年度、優秀な4回生選手を多く抱え、Final出場を果たす一方で、
4回生が卒業した後の神戸ラクロスを憂慮するような声も聞きました。
何より、出会ったばかりの選手自身も「先輩たちが上手かったので…」という弱気な面も見られました。
ですので、指導に入ったばかりのころは「シーズンインまで9か月以上ある、そこまでに何ができるかを考えてほしい」それだけをマインド面では伝え、
技術面では、
投げ方、取り方、もらい方、から始まり
戦術、考術、時には奇術
そのうち忍術…
(写真 指導のワンシーン)
とは参りませんが、これまで選手が受けてきた指導視点とは必ず「違うもの」もセットで伝えて、選んでもらえるようにしています。
その成果が現れ始め、相手のある練習試合などでも、勝ち負け以上の手ごたえを選手が感じてくれているようです。
選手と共に、日々「考えるラクロス」を形にし、試合会場で、観客席で応援してくださっている関係者の方に「面白い」と思えるラクロスをお届けできればと思います。
今後も、新型コロナ感染症の動向が注視されるべき状況の続く中ではありますが、
観戦が許される試合については、twitter、Instagram、そして本ブログを通じて、皆様にもお知らせをいたしますので、応援をよろしくお願いいたします。
また、無観客の場合でも、ライブ配信などを通じて、多く関係者の皆様に届くよう、選手たちの実況を交えてお届けしておりますので、そちらもぜひ視聴いただければと思います。
また、チームの状況を皆様にお知らせすべく、私自身もブログを書こうかと思います。
さて、最後に。
選手たちは、今年度チームの理念をいくつか掲げています。
その中で、スタンドを神戸カラーのオレンジに染める、があります。
これは、選手ではなく、皆様のご協力が無くては、実現しません。
OB、OGの方だけでなく、神戸大に何らかかかわったことのある方、神戸にお住まいの方、今年は、どこの大学を応援しようかと思っている方、過去ラクロッサーだった方、もし少しでも、本チームに興味を持っていただける方がおられましたら、観戦・応援の際は、オレンジ色のグッズをお持ちください。
では、またこちらのブログや、試合会場でお会いできる日を楽しみにしております。